うちなーんちゅと台風病

どうやら沖縄付近は台風だったんですね・・あまり被害が無いようにと願うと同時に、珊瑚礁で囲まれた沖縄の海にとって多少は必要な台風・・しかもうちなーんちゅは台風になると決まって、

どっかへ出かけたくなるもんなんです。ハイ

いわゆる台風病…

 Yukushipedia 【台風病】

沖縄には時に、台風病と呼ばれる奇病が発生する。時期は台風時で年中。暴風域により、ある一定の場所で留まる事を強いられる時に突然発病する。

島全体が揺れているであろう激しい嵐の中、どこからともなくカラオケ店にコッソリ島酒を隠し持っていったり、遊技場（ボーリング場や映画館等）には人々が押し寄せる。濡れた髪や衣服を乾かすでもなく中には暴風雨の中、両手を大きく天に仰いでは大声で叫んだりする者もいる（ゾンビ発祥はここから出来たとも言われてる）
その横から※とぅーたんやーの屋根は飛ばされ、ヤシの木もなぎ倒され、町は停電と嵐の闇へと続くのである。
この病気に対する特効薬は残念ながら、今の所まだ発見されてはいない。※トタンの家

なんて恐ろしい病・・実際私も未だこの病気が直ってないんだろう・・

そんな私。
未だ、台風と聞けばなぜか懐かしい。特に私の中で印象に残ってる二つの思い出・・

（テーマソングはやっぱりこれで）

私が小学6年生の頃。

その日は大型台風の影響で学校は休校になった。前の晩から二歳年下の弟と一緒に「明日は休みかな～！」とワクワクしながら寝付けずにそのまま夜更かしで朝、真っ先にラジオを聴いてたのは母。何だか少し嬉しそうにバスの運休を私達に伝える。

心配性のおじい、嵐が激しくなる前に早く窓枠の保護板をするとまくし立てる。まだまだ眠っていたい父は無理矢理起こされ機嫌も悪く、私達もその手伝いに外に出される。が、今日の手伝いは何だか楽しい。

窓の戸をつけ終え、しばらく皆でテレビを見てたものの画像が悪くなり始める。さっき外に出た時にはただのくもり空だったのに、いつの間にか雨と風は激しさを増してきた。いよいよだ・・

一瞬晴れる静けさの後、すぐに嵐に変わり私達の小さな家を揺らす。いつも雨漏りにはバケツ、うち雨には新聞紙を窓やドアの間に挟む。幼い頃は「いつか壊れるんじゃないか」と思いつつも、その頑丈な小さなコンクリートの家は大型台風でもビクともしない。カタカタと木の戸は音を立てながらガラスの窓を守るのだ。

それからずっと夜まで停電になる。

年寄りの早寝はいつでも変わらない。昼間の父との嵐より激しいやりとりを終えたおじいは今頃はもう寝てるのだろう。

ロウソクの灯りを頼りに夕飯を作る母。今日のメニューは私の嫌いな※フーチバージューシィー。とにかくこれがマズい。仕方なくテーブル配られたマズいソレを空腹を満たす為だけに食べる。きっと台風だったからだろうか・・ロウソクの小さな灯りの下で食べるフーチバージューシーはおかわりする程ほど美味しかった…※ヨモギの炊き込みご飯

普段はテレビに夢中で皆とゆっくり話す事もない。でも今日は沢山話し、家族全員で一緒に新聞のクロスワードをし、カセットレコーダーで自分達の声を録音し合う。初めて聞く自分の録音の声に驚き、何だかこそばゆい程笑った。

しばらくすると母がこう言ったのだった・・

「もし、弟と妹、出来るとしたらどっちが欲しい？」

突然のこの瞬間での告白・・

母は嬉しそうに言った。灯りの向こう側で父は、照れくさそうにも嬉しそうにも笑っていた。


もう一つの思いでは又今度の台風の時にでも・・